2007年09月13日

アフリカ都市部の大気汚染〜鉛中毒

【9月13日 AFP】都市化と車社会化が進むアフリカのサハラ(Sahara)以南の各都市では、
主に有鉛ガソリン車の影響による大気汚染が深刻化している。

街路の露天商の大半を占める女性たちも1日中、汚染された空気を吸わざるを得ない状況だ。(c)AFP



1970年東京都牛込柳町で発生した沿道大気汚染による鉛中毒事件をきっかけに
日本では1975年以降、自動車用レギュラーガソリンは完全無鉛化されました。
集団健康診断で交差点付近の住民の多くに鉛中毒が発見され
原因はガソリンに添加された鉛によるものと推定されたのでした。

1980年頃まではハイオク指定の高出力エンジン搭載車用の
ハイオクガソリンにわずかに使用されていましたが
現在では無鉛化されています。

米国では大気浄化法(CAA)により、1995年に有鉛ガソリンが規制されています。

◆鉛中毒の怖さ

鉛の濃度がひじょうに高い場合は、急性脳障害を起こします。
鉛の濃度が低い場合は、精神の発達に障害があり、
IQ や精神機能の低下にも影響すると考えられています。

鉛中毒の典型的な症状としては、
性格の変化、頭痛、感覚の喪失、金属的な味を感じる、
非常な過敏性、食欲と活力の低下、
最近獲得した発達上の能力の喪失が挙げられます。
また歩行困難、嘔吐、便秘、激しい腹痛、骨や関節の痛み、
貧血、腎臓障害などもあります。

小さな子供の場合、突然脳症を発症し数日間で悪化することがあります。
持続的な激しい嘔吐、錯乱、不眠を起こしたり、
最終的にはけいれん発作や昏睡を生じます。

治療を行った後も、脳症を発症した子供の多くが、恒久的な脳の損傷を起こし、
腎臓に永久的な損傷が残ることもあります。

◆古代ローマ帝国を衰亡させた?!

古代ローマ帝国が衰亡した一つの要因に鉛中毒があったのではないかという説があります。

 ローマ帝国は優れた上水道施設をもっていたことで知られていますが、各家庭への配水管は鉛管が用いられていたため、飲み水には常に鉛が溶け出していたという説です。
また、ローマ時代には鉛製の鍋や食器が用いられていました。

そのため多くのローマ人が無気力や軽い精神障害をもたらす鉛中毒にかかっており、自堕落な生活と頽廃をもたらし、ローマの衰亡をはやめたというのです。

◆地球環境が鉛で汚染されていく

現在でも火山の噴火などで、年平均6000トンぐらいの鉛が大気中に
放出されていると推測されていますが、
人間は、なんと年間200万トンもの鉛を出し続けてきたのだそうです。

鉛は、私達の周囲に、非常に低いレベルですが日常的に存在しています。

比較的高い濃度の鉛は、60年代以前の古い塗料(最近の塗料には鉛は含まれていません)、
1980 年以前の車の排気ガス
その他、ピューターのピッチャーやディナー食器、鳥撃ち用散弾、釣り用の重りにも鉛は含まれています。

現在では改善されていますが過去には、
歯磨きのチューブ
コンデンスミルクの缶のはんだ付け
銅の水道管を鉛ではんだ付けしていたことなどがありました。


成人の数倍も早く鉛を吸収する子供のなかには、すでに軽い鉛中毒にかかり治療の必要がある者がアメリカだけでも数十万人はいるといわれています。

先日のマテル社の中国製玩具の自主回収もこうした鉛による
健康被害を危惧してのことです。

米マテル、中国製玩具を自主回収 日本向けも3440個

http://www.asahi.com/business/update/0905/TKY200709050148.html

アメリカでまたもや中国製玩具の回収騒ぎです。
中国製キーホルダーなど玩具63万個以上回収
posted by hal at 14:00 | Comment(0) | TrackBack(1) | 環境問題
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/55145815

この記事へのトラックバック

米国マテル社の回収騒動
Excerpt: 米国マテル社の玩具がまたまた自主回収騒ぎになった。今度の騒動も、中国製玩具に鉛が含まれているという事で、回収騒ぎになったのだが、暫く中国製の玩具や加工品は買わないほうがいいのかもしれない。前にも書いた...
Weblog: そんなん?
Tracked: 2007-09-14 13:20